推しは推せるうちに、家族の話は会話が噛み合ううちに
残暑見舞い申し上げます。

迎え盆の日の朝、実家の墓の草むしりをしました。
田んぼの中にある、集落でシェアしている墓地の一角、墓石と礎石の周りにコンクリートをうちその上に砂利を敷いた本来の姿はそこにはなく、真夏の空き地で見かけるような草が青々と生い茂る、来訪者の少ない史跡といえばまだ聞こえのいい、無精の極みを詫びることからご先祖様の里帰りの支度が始まりました。
冬のからっ風が運ぶ土埃が堆積し、次いで草の種が飛んでくることで、夏草の森ができあがる理屈を知っているならば、気候のいい頃合いを見て砂利の手入れをすればいいだけの話ですが言うは易し、墓守を任された我が家でかろうじてからだが動かせるのは己ひとりという自覚の足らなさを思い知り、日が高くなるとともに汗が止まらなくなりました。
なぜかくもまた手のかかる墓のつくりなのか、いっそのこと屋根で覆わずとも北と西の側面に風除けを立ててしまえば面倒な思いをせずに済むのではと考えていたところはっとしたのです。盆と彼岸だけでなく手入れに来ることで先祖と向き合う機会が生まれることを見越して祖父は墓を立てたのかもしれない。
ひとまず自分の代までは墓守を務める意味は見出したものの、引き継ぐ先もない現状では永代供養も視野に備える必要を改めて感じながらも自分ごとにまではなりきっていないのも事実です。
今月は「原点」をテーマにお送りしている「マネーの扉〜2030年へsprout!〜」。8月29日(金)19:00からの放送では「人生会議」を取り上げます。
終活やエンディングノートが広く知られるようにはなりましたが、生きていれば医療や介護を受けることは誰にでも起こりうること、そのために時間を割き環境を整えることが必要になる場面が訪れるときを見越して、家族はじめ身近な人と認識を共有しておくこと、専門的知見をもって相談できる先を見つけておくことで、人生設計におけるマネープランもより具体的になります。
お盆の過ごし方は、現世を生きる者にも、なくなった人にも帰るふるさとがあり、時間と場所を共にすることで思い出を振り返るだけでなく、近況というかたちでそれぞれのこれからについても話している点では会議ともいえます。
今回の放送を経て、ご先祖様をオブザーバーに迎えて人生会議も議題に加えていただければ幸いです。

スタッフ

パーソナリティ活動
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